緑茶
健康とお茶
体に良いたくさんの成分
近年、緑茶は世界中で健康飲料として飲まれるようになっています。病気予防や健康維持、健康促進効果が数多く報告されています。
緑茶の成分には、リラックス効果、発汗後の水分補給、仕事中やスポーツ中およびスポーツ後の集中力やすっきり感、高カロリー食を摂取後コレステロールの低下、ウイルス感染力への抵抗力が強いなど多くの研究成果が発表されています。また、茶を煎じた香りは部屋の消臭効果もあり、入浴剤や手の殺菌、冷ましたお茶にさっと浸すと生魚の臭みが取れるなど様々なお茶の活用術もあります。
緑茶には体に良いとされる多くの成分が含まれています。代表的な成分をご紹介します。
- ビタミンC: 抵抗力増進、疲労回復
- カフェイン : 頭痛緩和、血行促進、利尿効果
- カテキン : 抗菌作用、抗インフルエンザ作用
これ以外にも、まだまだたくさんの成分が緑茶には含まれています。下記に、その成分と各効果について詳しくご紹介します。
お茶の成分
水溶性成分
水溶性成分は、茶葉の抽出過程でお湯の中に出てきます。
カテキン(10-18%)
- 血中コレステロールの低下
- 体脂肪低下作用
- がん予防
- 抗酸化作用
- 抗突然変異原
- 虫歯予防、抗菌作用
- 抗インフルエンザ作用
- 血圧上昇抑制作用
- 血糖上昇抑制作用
- 口臭予防(脱臭作用)
カフェイン(2-4%)
- 覚醒作用
- (疲労感や眠気の除去)
- 持久力増加
- 二日酔い防止
- 利尿作用
ビタミン類(0.15-0.25%)
- 皮膚や粘膜の健康維持
- コラーゲン形成
- 抗酸化作用
ビタミンB2
- 皮膚や粘膜の健康維持
葉酸
- 神経管閉塞障害の発症予防
- 動脈硬化予防
β-カロテン
- 夜間の視力維持
ビタミンE
- 抗酸化作用
テアニン(0.6-2%)
- カフェインの効果を穏やかにする
- 神経細胞保護作用
- リラックス効果(α波出現)
- 血圧低下作用
γ-アミノ酪酸(通称:GABA)
- 血圧低下作用
サポニン
- 血圧低下作用
- 抗インフルエンザ作用
お茶の成分
不溶性成分
不溶性成分は、お茶の抽出過程ではお湯の中に出てきませんが、上級煎茶の茶葉を食べたり、抹茶や粉末茶を飲むことで下記の成分を摂取することができます。
クロロフィル(0.6-1%)
- 消臭作用
繊維質(約30%)
- がんや心臓病、生活習慣病の予防
プロテイン(約2.4%)
- 栄養素
ベータカロテン(約0.02%)
- 抗酸化作用、抗突然変異原、免疫機能向上
フッ素
- 虫歯の予防
ミネラル
- 生体調整作用(カリウム、カルシウム、リン酸、マグネシウムも含まれています)
ビタミンE(0.02-0.07%)
- 溶血予防、脂質過酸化の緩和、抗がん作用、糖尿病や白内障の予防、抗酸化作用、免疫力向上
アレルギー反応の緩和
カテキンパワー
静岡大学の研究グループの報告によると、体重1キログラム当たり120㎎の緑茶をマウスに与えた結果、アレルギー反応が緩和されたということが分かった。この摂取量は、人間でいうと1日あたり10杯の緑茶を飲むことに相当する。
これは緑茶に含まれるカテキンがもたらす効果だと考えられる。ただし、カテキンは胃に直接作用するため、毎日濃い緑茶を空腹時に相当量飲み続けるのはお勧めしない。アレルギー症状を緩和するには、毎日適量を摂取することが望ましい。
強力な殺菌効果
天然のバクテリアキラー
緑茶の成分であるカテキンには、非常に強い殺菌作用があります。コレラ菌やブドウ球菌といった多くの細菌機能を抑制し、これらの菌を20倍に薄めた緑茶の中に入れても、24時間以内にすべての菌を殺してしまうともいわれています。
一方、カテキンは腸内ビフィズス菌の上昇を助け居心地のいい環境を作るため、カテキンの濃度が通常の3倍でも、ビフィズス菌を殺すことはないと言われています。
発癌率を抑える
没食子酸エピガロカテキン
ガンの進行には2つの段階があります。
1. ガン細胞の出現(初期段階)
2. ガン組織が成長(増殖期)
ネズミに緑茶に含まれる成分を与えた実験で、緑茶ががん細胞の出現と増殖の両方のリスクを軽減することが証明されています。
研究者らは、緑茶に含まれるカテキンの一種である「没食子酸エピガロカテキン」が劇的にガンの出現を減らすと発見しました。ガンに対する緑茶の効果は現在も研究段階ですが、医療分野における緑茶への期待は非常に高まっています。