茶の歴史

お茶の起源

お茶は薬・解毒剤から高級嗜好品と変遷して、現在の形へ

茶の発祥地は中国と言われ、もともと薬、解毒剤として用いられていました。「お茶を一服」という言葉はこれに由来すると言われています。

本草学の始祖、今日の漢方薬の基礎を築いたとされる神農帝が山野を駆け巡り人間に適する野草や樹木の葉などの良否をテストするため、1日に72もの毒にあたり、そのたびに茶の葉を用いて解毒したという話はお茶を知る上で重要です。

薬草を食す神農帝の画
明代の画家 郭诩作(1503年)

世界の茶の歴史

中国からヨーロッパへ

ヨーロッパに伝わったのは大航海時代に入る16世紀。中国広東にやってきたポルトガル人が最初にお茶を味わった西洋人だと言われています。

17世紀に入ると新たにアジア交易の覇権を握ったオランダによってお茶(紅茶)がイギリスに輸出されるようになりました。お茶が世界の隅々にまで普及したのは20世紀に入ってからです。

2014年の統計によると世界の茶の生産量は約517万トン、そのうち緑茶は約167万トン、紅茶は約350万トンであり、近年緑茶の生産・消費が伸びています。

日本の茶の歴史

宮廷から食卓まで

日本の最古の、信頼でき得る喫茶記録は、「日本後記」にある「弘仁6年(815年)4月22日、僧・永忠が嵯峨天皇に茶を奉った」というものです。当初、お茶は大変な貴重品でした。

それが普及したのは、鎌倉時代に臨済宗の開祖・栄西がお茶を中国・宋から持ち帰ったのがきっかけです。

当時のお茶は抹茶に近く、江戸時代に入ってからは煎茶が茶の中心となり、庶民の口にも入るようになりました。当時は、お茶請けには栗など木の実が食べられていました。

お茶の歴史年表

  • 紀元前2737年、神農帝が薬草をテストするときに、お茶を解毒剤として用いたという一文がある。神農帝は、人々が食べられる植物を調べるために山野をかけめぐって野草を試食し、一日に72 種類もの毒にあたり、そのたびに茶の葉を噛んで毒を消したといわれている。(中国・出典 神農本草綱目)
  • 紀元前59年:王褒の『僮約』(契約書の意)に飲料として茶が用いられるという一文がある(中国)
  • 西暦760年頃:文筆家・陸羽が「茶経」を著す(中国・唐時代)
  • 西暦815年:日本の喫茶記録第一号「日本後記」。嵯峨天皇に僧・永忠が茶を奉る(日本・出典 日本後紀)
  • 西暦951年:皇服茶(大福茶)のはじまり(日本)
  • 西暦1191年:中国で学んだ栄西禅師は、茶が健康に良いはずと考えた。臨済宗の祖・栄西は、中国の宋より茶の種子を京都に持ち帰った。(日本)
  • 西暦1214年:栄西禅師が将軍 源実朝に「喫茶養生記」とともに茶を献上。この喫茶養生記とは、日本における茶文化の流行において重要な役割を果たした漢文体の書である。鎌倉時代後期には、中国の南宋で発達した闘茶が日本の武士階級の間でも流行。茶歌舞伎をはじめとする茶会文化が急速に発展していった。(日本)
  • 西暦1522年:千利休生まれる(1591年没)(日本)
  • 西暦1738年:永谷式煎茶創製(日本)
  • 西暦1835年:玉露の発明(日本)
  • 西暦1858年:日米修好通商条約締結
  • 日本茶が主要な輸出品となる(日本)
  • 1924年:三浦政太郎が茶葉中からビタミンCを発見(日本)
  • 1991年以降:緑茶ドリンクの流行(日本)

明庵栄西
(1141年5月27日~1215年7月2日)

陸羽 
「茶経」の著者

千利休
1522年~1591年4月21日

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